第28回 不思議なご縁

投稿日:2018年8月6日

今回は、中部地方の病院からの紹介で、陽子線治療の適応についてのセカンドオピニオンを受けた女性のお話です。

 

セカンドオピニオン前に目を通した診療情報提供書には

『腹部の局所進行がんで手術が困難のため「化学療法・放射線治療か、無治療かを選択して欲しい」と説明したところ、化学療法を受けたくないとのことで無治療を選択された』と書かれていました。

 

ご本人とご主人が診察に来られていたので、病気・病状を伺うと良く理解している様子でした。

 

どうして化学療法を拒むのかを聞いたところ、多くのネガティブな情報を目にしたり耳にしたり、過去に祖父が化学療法を受けた際、しんどいだけで治らなかったのを目の当たりにした経験から、治療を受ける気にならないとのことでした。

 

そして無治療を選んだため、主治医からは余命3ヶ月と言われたそうです。

 

  

 

皆さんは疑問に思いましたか?

どうして無治療を希望した患者さんが私のセカンドオピニオンを受けに来たのでしょうか。

 

お話の続きです。

 

余命を告げられたため、生まれ育った鹿児島にご主人と一緒に足を運び、多くの友人たちに最後の挨拶をする「最後の会」を開いたそうです。

 

その会に、偶然、指宿の陽子線治療センターで治療を受けた方が出席されており、一度指宿のセンターに行くよう強く言われたそうです。

友人がそこまで言うならと、お二人は国際陽子線治療センターに足を運びました。

 

そこで、ゲストサービスの担当者と会い、担当者からお二人の住んでいる中部地方に近い関西の私が紹介されました。

このゲストサービスは、私がセンター長をしていた時に作った部署です。

 

鹿児島から帰るとすぐ、主治医の先生にお願いをして、診療情報提供書と画像の資料が明和キャンサークリニックの私の元に送付されました。

この主治医も私のことをよく知っており、非常に協力的だったそうです。

 

そして、この話の始めに戻ります。

 

 

初診でこの話を聞いていると、不思議な縁を感じました。

 

1)化学療法を拒否したことで、主治医から余命3月と言われた。

2)余命3月と聞き、生まれ育った鹿児島の友人達に会いに行った。

3)友人達と開いた「最後の会」で、陽子線治療を受けた方に出会った。

4)指宿の陽子線治療センターに行くよう強く勧められた。

5)センターで、ゲストサービスの担当者から私に会うことを強く勧められた。

6)主治医に相談したら、私のことを良くご存知で、セカンドオピニオンを勧められ、すぐ資料などを用意してくれた。

 

もしも、この流れの中で何かひとつでも欠けていたら、この患者さんと私は出逢っていなかったかもしれません。

 

結論としては、この方は陽子線治療が適応でした。

しかし、加えて少し化学療法を受ける必要がありました。

 

そこで、化学療法の有効性や治療受ける姿勢(イヤイヤではいけない等)について丁寧に説明したところ、納得され、主治医の元で化学療法を開始をしていただくことになりました。

2ヶ月の化学療法後には、指宿で陽子線治療を受けることができることでしょう。

 

不思議な縁を感じたお話でした。

 

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