第21回 指宿図書館とのご縁

投稿日:2018年4月16日

ある読書好きの女性患者さんが、遠方からメディポリス国際陽子線治療センターに入院され治療を受けました。

 

陽子線治療は、体に負担がかからない治療です。

その為、治療以外の時間を退屈して過ごす患者さんも少なくありません。

 

センターは、300メートル以上の高地にあります。

この女性も、最初のうちはセンター周辺を散策をしていたのですが、読書が好きなので、だんだんと本が読みたくなりました。

 

ある日、思い立って指宿市内の図書館まで、2時間かけて歩いて行かれたそうです。

そして本を借りようとしたのですが、指宿市民でないとのことで、個人で本を借りることができませんでした。

 

この話を知った女性館長さんが、当時センター長をしていた私の元に相談に来ました。

女性館長さんは「ルールでは『市民以外には、個人的な貸し出しができない』が、『企業には、月に数十冊の貸し出しができる』」ことを熱弁され、私も良い考えだと考え、センターに対しての本の貸し出しをお願いしました。

それから、毎月、センターの担当者が図書館に出かけて五十冊の本をお借りし、お返しするということを続けています。

 

読書好きの女性患者さんの本を読みたいと言う強い思いと、図書館の女性館長さんの患者さんに本を提供したい強い気持ちから、センターと指宿図書館との交流が始まりました。

2013年の話です。

 

 

それから、お礼を兼ねて年に一度、指宿図書館にて「がんと陽子線治療」の講演を行っています。

 

本拠地を関西に移した今年も、女性館長さんからの強い依頼で、この講演を行うことになりました。

講演前に女性館長さんと歓談していると、子供用の本を最近貸し出した話になりました。

 

 

小児がんの10歳過ぎのお子さんがセンターでの治療に際して、読書が好きなので貸してほしいと担当者が来館しました。

担当者は数冊と言ったそうですが、太っ腹な女性館長さんは、五十冊のを貸し出したそうです。

 

実はこの小児がんの陽子線治療は、保険診療で受けることができ、このことを館長さんに伝えました。

これからも小児の患者さんはいらっしゃると考えるられるので、ますます指宿図書館にはお世話になります。

 

今回の小児患者さんは、無事治療も終わり帰宅されました。

帰るときに「図書館の本が読めてどれほど良かったか、感謝します」と担当者に伝え、その言葉は図書館の皆さんにも伝わりました。

 

私は、指宿でのこういった優しいやりとりが大好きです。 

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