第7回 患者と医師との協働作業

投稿日:2017年10月30日

戦後広島を訪れ、その惨状を世界に知らせた著名なジャーナリスト、ノーマン・カズンズは、膠原病で動けなくなった体を、自分の力も利用して克服しました。

1964年にこの難病を克服し、その体験を「笑いと治癒力」という本に書き残しています。

闘病生活を振り返り、彼は次のようなことを強調しています。

 

「難病治療には患者と医師の恊働作業が非常に重要であること」

「笑いや愛といったポジティブな感情が大切であること」

 

 

彼は1980年に心筋梗塞も患っていますが、それも克服し「続 笑いと治癒力」と言う本に治療体験記を記しています。

この2冊の本を通じて彼が伝えようとしている考え方は、がん患者さんに対する私の考え方と酷似しています。

 

  1. がんになっても、ポジティブな気持ちを持つ
  2. 医師から病気の説明をよく聞き、納得した治療を選択する 
  3. 医師は「言葉」を大切にし、患者さんが病気に対して前向きになれる環境を整える 
  4. 医師と患者の関係は、がんを治すための恊働作業者である

 

私はこの考えを大切にして日常の診療にあたっており、初診の患者さんにはさらに次のように接します。

 

  1. 病気と病状についてどのように理解しているかをまず聞く 
  2. 主治医の治療方針の理解度を聞く 
  3. どのようにして通院するのかを聞く(車なのか、自転車なのか等) 
  4. 趣味や好きなことなどを聞く

 

その上で「がん治療はチーム医療で、あなたもチームの一員です。治療期間中に、昨日と今日の間に何か変化が出たら、必ず、看護師や医師に伝えるようにして下さい」と話します。

 

患者さんと色々な話をすることが、がん治療の「協働作業」の第一歩です。

チームのメンバー同士、一緒に楽しく、ときには笑いながら困難を乗り越えられる関係でありたいですね。

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