第77回 和顔愛語(わげんあいご)

投稿日:2020年10月6日

私は、仏教で使われる言葉が好きで、日頃から色々と学んでいます。

今回ご紹介する仏教用語は、「和顔愛語(わげんあいご)」です。

 

和顔愛語とは「大無量寿経」というお経の中にある言葉で、おだやかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接することです。

 

温熱療法を始めて1年が過ぎました。ここで接してきた患者さんは、粒子線治療で接してきた患者さんとは、大きく雰囲気が異なります。

 

 

がんは、局所にできて次第に周辺に浸潤すると同時に、全身に広がる病気です。

局所にある時に見つかるがんは、局所がん(早期がん)と診断され、今日では正しい局所治療を施せば完治する可能性が高くなってきました。

 

一方、がんが周辺に浸潤する進行がんや、それに加えて全身に広がった進行がんの治療は局所治療だけでは完治が望めません。

そこで化学療法、手術、放射線治療、粒子線治療を組み合わせた集学的治療で対応しますが、それでも治せないがんが出てきます。

 

温熱療法の患者さんは、ほとんどが進行がんです。

一方、粒子線治療の相談に来る多くの患者さんは、局所がんです。

 

 

進行がんの患者さんは、主治医から治りにくいことを説明されると「怒」「哀」「憎」のネガティブな感情に支配される傾向にあります。

局所のがん患者さんも、がんということで、最初は同じような感情に支配されますが、治る可能性が高いことを知って「喜」「楽」「愛」のポジティブな感情がネガティブな感情に勝ります。

 

この違いが、粒子線治療の患者さん(局所がん)と温熱療法の患者さん(進行がん)の雰囲気にも現れていると感じています。

 

 

第64回 温熱療法でも書いたように、進行がんでも元気な患者さんはたくさんいます。

 

がんの治療をしていると、元気だったり、元気がなかったり、明るかったり、暗かったりと色々な患者さんと接します。

そんな皆さんとお話しするときには、和顔愛語の言葉を常に思い出して、接するようにしています。

 

みなさんも和顔愛語と言う言葉を覚えて、実践してみてくださいね。

自然と穏やかで、優しい気持ちになれますよ。

 

 

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