第76回 早期がん

投稿日:2020年9月21日

先日、2人の患者さんが温熱療法の相談に来ました。

2人とも早期のがんで、手術を受ければ完治が期待できますが、「どうしても手術を受けたくない」とのことで相談を受けました。

 

 

1人目の患者さんは、高齢で、宗教的な理由での手術拒否です。

何度も説明をしましたが、かたくなに手術を拒否します。

そこで、8回の温熱療法をしてから内視鏡検査をしていただき、がんが進行していたら強く手術を勧めることにして、温熱療法を開始しました。

治療中にも手術をしないデメリットについて色々と話をしていますが、聞く耳を持ちません。

 

 

2人目は、まだ30代の若い患者さんです。

理由はわかりませんが、とにかく手術を拒否します。

いろいろ理解していただけるように努力しましたが伝わりません。

 

最終的には他院で診てもらうということで、私の診察は終了しました。

 

その方の友人も私の患者さんの一人で、時々話しをします。

その友人を通じて「今、手術をしたら完治が期待できる」ことを伝えてもらいましたが、やはり聞く耳もたずです。

その後、他院でステージIVの患者さんに行う点滴による代替療法を受けており、そこの先生も手術を勧めて下さっているのですが、現状は変わらないようです。

 

 

がんの治療方法は、がんの進行度によって変わります。

早期であれば、局所治療の手術や放射線治療で治る可能性が非常に高く、従来の患者さんは医師から説明を受けたらすぐに手術を受けていました。

 

今回の2人のような例は、私の長いがん治療医としての経験からも極めてまれですが、この2人に共通していることがありました。

 

それは、2人共SNSで色々調べているということです。

 

標準治療で治ることを、関係しているすべての医師から説明されても、「SNSで手術をしないで治っている例がある」といって完治が期待される医療を受け付けません。

 

私にはこのような考え方が理解できませんが、がん治療医にとって難しい時代になったのは確かです。

 

  

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