第5回 生活習慣病
投稿日:2017年10月2日
がんは「生活習慣病の一つ」と言われています。
生活習慣は、一人一人異なります。
規則正しい生活習慣の人もいますし、不規則な人もいます。
喫煙する人や飲酒する人も様々です。
他人から見れば、ひどい生活習慣だと思われるような場合であっても、病気にならない人がいます。
ただ、ひどい生活習慣を送っている人が、がんになり、治癒が期待できる放射線治療を受けられるのであれば、その治療期間中に生活習慣を見直すように勧めています。
治療が終了し、治癒しても、がんになる前の生活習慣を続けていると、またがんになる可能性が高いからです。
がん患者さんと最初に話すときに、喫煙の有無、一日の運動量、飲酒も含めた食事の特徴など生活習慣についても聞くようにしています。
これらは、体の生活習慣です。
また、くよくよする癖がないか、怒りっぽくないかなども聞き取ります。
これらは、心の生活習慣です。
話を聞いた後、喫煙をしている人には「あなたのがんの原因の一つは喫煙と思われるので、もうタバコはだめですよ」と伝えます。
同様に、食事や運動についてもアドバイスを行います。
次に、心の生活習慣の改善も大事です。
怒りっぽい人には、「あなたはがんになる前に、よく奥さんを怒りませんでしたか?」と聞き、「そうでした」と答えられたら、「がんの原因の一つが奥さんを年がら年中怒っていたためかも」と話をして、それはやめたほうが良いとアドバイスします。
また、くよくよする人には、あまり考え過ぎないようにとアドバイスします。
このようなアドバイスを受けた患者さんの多くは、放射線治療期間中に顔つきに変化が見られます。
治療の効果が出てくることと、生活習慣を見直されたからだと考えます。
穏やかな良い顔になった患者さんが、さらに元気になる姿を見るのも治療医の楽しみの一つです。