第59回 自然の治癒力

投稿日:2019年11月4日

メディポリス国際陽子線治療センターで、センター長をしていた頃、「センター長懇話会」をというものを開いていました。

この会では、粒子線治療の歴史や仕組み、治療中の気持ちの持ちよう、理解していただける程度の症例など、皆さんに知っていただきたい様々なお話しをしていました。

 

 

当時、懇話会が終わった後に患者さんから受けた質問をご紹介します。

その方は、遠方から当センターにいらしている患者さんでした。

お住まいの地域には、有名な粒子線治療施設があります。

 

当初から「粒子線治療を受ける」と決心されており、近くの粒子線治療施設に相談に行ったものの、どうもシックリこなかったそうです。

そこで以前から存在を知っていた当センターにも相談に来られ、当センターでの治療を決められました。

 

そんな患者さんからの質問は「治療の環境は、がん治療に関与しますか?」というもの。

 

なぜこのような質問に至ったかと言うと、

「近くの粒子線治療施設と比べ、当センターの環境が素晴らしく、大自然に癒されるような感じを受けたため、こちらの施設での治療を決定したので…」とのことでした。

 

サイエンスとして医学を学んだ一人の医師としては、環境が、がん治療に関係しているかどうかはよくわかりません。

しかし、がんの医療に携わり続けている一人の医師としては、環境によってがん患者さんの心が癒された結果、がんが治りやすくなることはありえると思います。

 

 

想像をはるかに超越した自然のエネルギー。

大地からわき上がる純粋なエネルギーが、患者さんの治療に良い影響を与えると信じています。

これは数値としてではなく、私の経験からそう実感しています。

 

患者さんの多くは、このセンターに来て、治療と共に柔和な表情になっていきます。

理由の1つは、治療が進むことで、不安から解放されていくため。

もう1つは、忙しい日常生活から離れ、ゆっくりと時間が流れるセンター周囲の自然も影響しているのではないかと考えています。

 

感性の高い患者さんが自然のエネルギーを感じとり、自分の治療の為に遠方である当センターを選択して下さったことを知り、うれしく思いました。

 

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