第41回 不思議な病気がん:思考停止
投稿日:2019年2月11日
がんは、不思議な病気です。
多くの人はがんになると思考が停止します。
例えば、転倒して足をケガした場合。
傷口からひどく血が出ていると、『その血を止めて傷を治さなければ…』と考え、病院に行きます。
適切な治療を受け、治ってしまえば病院に通う必要はありません。
一方、がんになったらどうでしょう。
TVや雑誌などで、がんで亡くなる人の報道が年がら年中されている時代です。
「がんですよ」とお医者さんから言われると、
「死ぬかもしれない」と患者さんは直感し、頭の中は真っ白になります。
「ほっといたら死んでしまう! 急がなくては!」と。
しかし、一番大事なことは、急ぐことではなく「考える」ことです。
がんの勉強のため講演会に来られている方に、最初にお伝えしていることは、この「考える」という事です。
考える!考える!です。
まず始めに考えていただきたいことは、ずいぶん前から体の中に「がん」があったであろうと言う事実です。
実際、がんの多くは、気がついた時から遡って数年前には体内にできています。
そこに気がつかなければ、思考は停止したままです。
「すぐ治さなければ」と焦れば焦るほど、考えることができません。
逆に、その事に気がつけば、思考停止が解除され、考えられるようになります。
現在、多様ながんの治療方法が確立され、立派な専門病院が全国各地にあります。
まず、よく考えることが重要です。
自分で考えられなければ、セカンドオピニオンの制度を使い、別のがんの専門医に相談に行く事を考えて下さい。
もちろん考えた上で、がんであると最初に診断した先生が良いとなれば、その病院での治療を選択して下さい。
考えて治療を受けるのと、考えないで治療を受けるのでは、治療後の納得感に違いが出ます。
納得できる治療を受けるためにも、がんだと言われたら考える習慣を身につけましょう。
考える!考える!考える!