第3回 がんと言われたら – 思考を再開する方法 –

投稿日:2017年9月4日

メディポリス国際陽子線治療センターのように、遠方からも患者さんが足を運ぶ病院を「紹介型病院」とすれば、明和病院は「地域医療支援病院」と言えます。

地域医療支援病院は、地域と医療をつなぐ最前線の医療施設です。

こういった病院を訪れるがん患者さんの中には、進行した例も多く見られ、まだまだ一般の人へのがんの啓蒙は十分でないと実感しています。

 

また、早期に見つかっているのに、標準治療(手術、化学療法、放射線療法)を恐れ、根拠の乏しい民間療法を受けている間に進行例になる方もいらっしゃいます。

どうしてそのような事態になってしまうのでしょうか。

今回はこれらを考察してみます。

 

まずは、がんについて簡単にご説明します。

体の中で、自律的に増殖するようになった細胞の集団を「腫瘍」と呼びます。

腫瘍は、身体に悪影響を及ぼさない良性腫瘍と、遠隔転移を伴い、身体を破壊しながら無制限に増殖し続ける悪性腫瘍に分類されます。
がんと言うのは、この悪性腫瘍の一般的な呼び方です。

 

がんは適切な治療を受けなければ死に至る病です。

ですから、「残念ですが、がんです」とお医者さんから告げられると、「死ぬかもしれない」と患者さんは直感し、頭の中は真っ白になります。

そのような時に、家族や友人から「抗がん剤治療をすると、髪の毛が抜ける」、「この手術だと人工肛門になる」等、標準治療の厳しい一面を聞くと、標準治療は怖くて嫌な治療だと思いこんでしまうのです。

このような状況で、精神的に弱り、藁にもすがりたい思いの中、思考は低下し、自分で考えることをやめてしまう人が多くいます。

そして、思考停止の末、人からの勧めや、ネットの口コミなどを調べて、民間療法を始める患者さんがいるのだと思います。

 

がんだと宣言された時、患者さんやご家族にとって最も大切なことは、「自分は思考停止しているかもしれない」と考えることです。

無論、自分や家族ががんになってしまったことを認めるのは、誰だって勇気がいることですし、多くの人は、思考停止状態に陥るでしょう。

しかしそれは、あくまでも現状です。

それを受けて、そこからどのように行動するかで、その先の人生は大きく変わります。

 

まずは思考停止しているかもしれない自分に気がつき、思考を再開させることが重要です。

思考を再開させるためには、以下のように考えると良いかもしれません。

 

まず最初に、先生から宣告されたがんは、「ずいぶん前から体内にあった」という事を思い出してください。

実際、多くのがんは、数年前に体内にできているものです。

がん宣告される前にもがんはあり、がんだと知らずに、日常生活を問題なく過ごしてきました。

 

次に、現在、多様ながんの治療方法が確立され、立派な専門病院が全国各地に点在しています。

治療法などについてよく分からなければ、セカンドオピニオンの制度を使い、他のがん専門医に相談しましょう。
それでも納得できなければ、サードオピニオン、フォースオピニオン…と続けて下さい。

 

ここで大切なことは、がんの治療は、心臓や脳に代表される、突然重篤な状態に陥る疾患とは違い、治療施設、治療環境、主治医、治療方法等を自分自身で考え、選択することができるということです。

 

 

がんは、自分の体にできた病気です。
考えて治療を受けることで、治療後の納得感に違いが出ます。

このようにがん治療について考えていると、標準治療や先進医療では、がんは治せる可能性はあるが、民間療法では難しいと理解できるようになります。

納得できる治療を受けるためにも、がんだと言われたら「考える」ことを忘れないでください。

 

また、身の回りの方から「がんだと宣告された」と打ち明けられたら、しっかりと考えているか、考えることを辞めていないかを確認してあげて下さい。

 

今の時代、がんは不治の病ではありません。

がんは、考えて治す病です。

関連記事