第19回 『キョウヨウ』と『キョウイク』

投稿日:2018年4月2日

ある日の診察風景 (3)

 

[Eさんの場合]

70代半ばのEさん。

診察の時に「最近、何か変わったことはないですか」と聞いたところ、「太りました」という返事がありました。

 

調べてみたところ、毎日の体重測定では、放射線治療開始時と28回照射時の当日まで、それほど変化はないようです。

さらに調べると、Eさんは放射線治療開始までに約半年間ホルモン治療を受けており、ホルモン治療開始前と比べると約4kg体重が増えています。

ホルモン治療の影響による体重増とわかりました。

 

そのことを泌尿器の先生から聞いていたはずなのですが、十分に理解されていなかったようです。

私からもホルモンの影響であることをお話しし、太った原因が放射線治療ではないので、安心して治療を受けるように話しました。

 

よく話しをすることで、良い医療が行えます。

 

 

[Fさんの場合]

診察でのお話。

 

「何か困っていることはありませんか」と質問したところ、「最近家内が私を放ったらかしにして困る」とのこと。

この患者さんも70代半ばの方で、退職してから10数年たっています。

 

「退職直後は大事にしてくれていたのですが、最近では、朝食も自分で用意しています」

「夕方など、家内の代わりに食材を買いに行くこともあります」

と色々と家庭の話を聞きました。

 

話を十分聞いてから、「どこも一緒ですね」と伝えたたところ、一瞬の間をおいて、同席の看護師も含めて大爆笑。

高齢者の診察では、話を良く聞くことが大切です。

 

 

[Gさんの場合]

治療の後半に入った、70代前半の患者さんです。

 

「何か困ったことはありますか」と聞いたところ、「もうすぐ治療が終了で、ここに来なくなると寂しくなります」との回答でした。

そう言われて、「高齢者は『キョウヨウ』と『キョウイク』が大事である」とどこかで読んだことを思い出しました。

 

「”今日”、”用”事がある」「”今日”、”行く”ところがある」という事だそうです。

 

他の患者さんの診察でも、昼間何をしているか聞くようにしているのですが…

何もしない人がいる反面、ゴルフ、ウォーキング、カラオケ、ガーデニング、英会話、楽器の練習など、趣味を楽しんでいる人も多々います。

 

このような会話を通して、即答できる趣味を持つ高齢者の顔は生き生きしているように感じるので、「何もしていない」と答える高齢者には、治療終了後から何かを始めるように勧めています。

 

私もウォーキング、写真撮影、歌など趣味を楽しんでいます。

その様子は、SNS( Facebook、Instagram)でご覧ください。 

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